GameSaladで誰でもiPhoneアプリ作成(1)

GameSaladの特徴はなんと言っても、簡単にiPhoneアプリを作れてしまうところです。これまではサンプルとして、PCで動くシューティングゲームを作って来ましたが、今度はこれをiPhoneで動くようにして、最後にはApp Storeにもリリースしちゃいましょう。自分の作ったアプリがApp Storeに並んでいるのを見るのはとても嬉しいものです。
任天堂やソニーのプラットフォームにゲームを出すのはゲームメーカーでないとかなり難しいですが、iPhoneならば個人で簡単にApp Storeに出品して、世界中の人に遊んでもらえるチャンスがあります。ハードウエアと、それを売るためのプラットフォーム、そして開発環境が揃っているのがAppleの強みですね。Androidももちろんそうなのですが、iOSの機種に比べるとハードウエアの違いが大きすぎて、検証のコストが非常に大きくなるのが欠点です。Googleが厳格にハードウエアの仕様を決めれば問題は減るのですが、そうすると市場の発展のスピードも遅れ、メーカーにとってもAndroidを採用するメリットが薄れます。実際WindowsPhone7は、マイクロソフトがハードウエアの仕様をかなり厳格に求めているのでなかなか市場が広がりませんが、アプリの互換性やマーケットの健全性などはApple並に保たれています。果たしてどちらの手法が市場を制するのか、興味深いところです。
ということで、GameSaladでiPhoneアプリを作っていきましょう。前回までに作ったシューティングゲームをちょっと改良して、iPhoneでも遊べるようにします。まずPCやHTML5のゲームとの大きな違いは、操作体系です。前回までは自機の移動はカーソルキー、レーザーを打つのはスペースキーにしていました。ところがもちろんこれではiPhoneでは操作できません。iPhoneでの操作は画面へのタッチを基本にします。
画面へのタッチで操作を行うには、大きく2通りの方法があります。キャラクターを直接タッチして動かす方法と、画面に仮想コントローラを置く方法です。コンソールゲーム機からの移植では後者が使われることが多いですが、物理的な感触が無いのでいつの間にか指がずれてしまうなど、欠点もあります。仮想コントローラのサンプルは、GameSaladの起動画面から検索できますので参考にしてみてください。
Controller
Official Cross-Platform Controller Templateという名称です
今回は、タッチで自機を移動できるようにしてみましょう。前回のGameSaladプロジェクトファイル(こちらのページの一番下当たりからダウンロードできます)を若干変更します。
まず、Y座標について、自機の移動をタッチで行えるようにします。ActorのPlayerを開いて、Create Ruleで新しいルールを作り、発動条件を
[Actor receives event][touch] is [pressed]
とします。タッチされている間、という条件になります。そして、Behaviorは「Constrain Attribute」を使用します。これは、その名の通り属性値を束縛する動きになります。タッチされた座標に、自機の座標を強制的に合わせてしまう、という理屈ですね。AttributeをAttribute Browser(入力欄の右側の[…
]が書いてあるボタン)から選択します。Player>Position>Y と選択してください。すると、入力フォームには[self.Position.Y]と入力されます。そして、To:の部分ですが、[e]と書いてあるボタンでExpression Editorを呼び出し、左下の▼ボタンを押します。Devices>Touches>Touch 1>Y と選択していきます。入力フォームには、[game.Touches.Touch 1.Y]と入力されました。このように、GameSaladではタッチイベントの入力も簡単に受け取ることができます。それでは同じようにX軸に動くBehaviorも追加しましょう。追加すると画面のようになります。
Touch
これで、タッチで自機が動くようになりました。
また、レーザーは自動的に発射するようにしましょう。某弾幕シューティングのiPhone版と同じく、ボタンを押さなくても勝手にレーザーが出るようにします。BehaviorのTimerを追加して、0.5秒ごとにSpawn ActorでLasorを自動的に出すようにします(上記のキャプチャー参照)
以上でキーボードを使わずにタッチだけでゲームができるようになりますが、ゲームのコンセプトやバランスがキーボードで遊ぶ時とかなり変わってしまいます。なので、iPhoneのゲームを作るときはタッチで如何に面白くするかを考えないといけないですね。もしくは仮想コントローラを使う方法を検討してみましょう。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク

コメント

  1. […] GameSaladで誰でもiPhoneアプリ作成(1)の続きです。今回は、作ったアプリを実機で動かしてみましょう。実機で動かすためには、年間8400円を支払ってAppleに開発者登録をして、証明書を […]